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岡山地方裁判所津山支部 昭和45年(ワ)77号 判決 1976年1月14日

原告 神戸外材商行こと 和田維祥

右訴訟代理人弁護士 甲野太郎

被告 甲田甫

<ほか一〇名>

主文

本件各訴はいずれもこれを却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

理由

一  請求の趣旨および請求原因別紙のとおり。

二  本件訴訟の経過

本件記録によれば本件は昭和四五年一二月二四日の第一回口頭弁論期日以降前後一三回に亘り口頭弁論期日を重ねて来たものであるが、原告訴訟代理人は第一、二回口頭弁論期日には出頭したがその後は第六回(被告岡本関係の第五回に同じ)第七回(被告岡本関係の第六回に同じ)の各口頭弁論期日に出頭したもののその余の口頭弁論期日には出頭せず、訴訟の進行については本件訴訟の当初はともかくその後は口頭弁論期日の被告らの呼出について再三送達費用の予納命令を受けてからようやく呼出手続がとれることができた有様等、就中第八回口頭弁論期日以降については期日変更申請(それも当日あるいは直前に理由を付さずに)、休止、期日指定の申立をくり返すばかりで何ら訴訟進行の意欲を示さず、従前の口頭弁論の結果の陳述すらできずに現在にいったこと等で明らかなように終始消極的非協力的態度で、その間の経過は別紙審理経過一覧表のとおりである。

三  当裁判所の判断

国民の裁判を受ける権利は最大限尊重されなければならないが、訴訟当事者も又訴訟の進行について協力する義務があり特に訴を提起した側にあっては濫用があってはならず、これを本件についてみると、原告は前記二でみたとおり当初の段階ではともかくその後は訴訟進行についての積極的意欲はうかがえずいたずらに訴訟係属を続け口頭弁論期日を空転させているのみであり、他面かゝる状態を継続するとき裁判所の労は考慮外におくとしてもその結果他の訴訟事件の審理遅延をきたすおそれなしとしない。これら諸般の事情を合せ考えるとき本件訴は理段階ではもはや訴の利益はなく審理を終結するのを相当とする。

四  以上説示のとおりであるから、本件訴はいずれも不適法としてこれを却下することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用し主文のとおり判決する。

(裁判官 近藤寿夫)

<以下省略>

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